ユニフォームに着替えていた子どもが、ぽつりと呟く。
「今日、野球… 行きたくない」
その瞬間、あなたは どうしますか?
「なんで?」と問い詰める。
「行くって決めたでしょ」と叱る。
それとも、黙って時計を見る。
正直、どうしたら良いのか、わからなくなりますよね。
でも、この一言の裏に何が隠れているかを知っているかで、子どもの未来が大きく変わってくるんです。

続けさせたいけど、無理に行かせるのも違う気がする・・・

野球が嫌いになったのかなぁ・・・
- 行きたくない。の裏に隠れた親への恐れ
- 親の自己満アドバイスが子どもの未来を奪う
- 子どもを再びグラウンドに向かわせる3つの対処法
この記事を書く私は、息子とともに汗を流し、全国中学野球大会優勝の喜びを得ることができました。

子どもが野球を嫌いになってしまう原因は、技術的なことだけではありません。
実は、親の何気ない態度が子どものモチベーションを壊しているのです。
少年野球において最も大切なのは『正しい形』よりも『野球って楽しい』っていう気持ちになってもらうこと。
そのためには、親自身が変わらなければなりません。
- 『行きたくない』は心の回復を待つためのサインと心に刻む
- 家庭内コーチを卒業し、子供が自ら『気づく』のを待つ
- 野球を切り離した『一人の存在』としての愛情を注ぐ
行きたくないの正体は、疲れではなく親への恐れ

子どもが練習を嫌がるとき、多くの親は 体調が悪いのかな? と考えます。
しかし、本当の理由はもっと深いところにあります。
多くの子どもが本当に恐れているのは、監督の怒声でも、練習のキツさ でもありません。
自分がミスをした後の、親の顔 なのです。
ヒットを打てば 家庭の空気が明るくなり、エラーをすれば車の中が重苦しくなる。
そんな毎日を繰り返すうちに、子どもは無意識にこう悟ってしまいます。
野球で結果を出さないと、パパやママに喜んでもらえない…
野球が「楽しい遊び」から「親の愛情を確認するための試験」に変わってしまった瞬間、子どもの心は絶望へと向かいます。
また失敗して、がっかりさせたくない・・・
この言葉にできない叫びが、行きたくない という一言に凝縮されているのです。
車内で1時間のアドバイス

今でこそ 子どもの心に寄り添う大切さを説いていますが、かつての私は、息子の野球への情熱を奪いかけた最低な親でした。
試合帰りの助手席で、泣きそうな息子に向かって1時間以上も「なぜ、初球を振らなかったんだ!」「お前の判断ミスで負けたんだぞ!」とダメ出しを続けていました。
自分では熱心な指導のつもりでしたが、実際には思い通りに動かない息子への苛立ちと、周囲の親への見栄をぶつけていただけの、醜い自己満足でしかありませんでした。
ある日、息子が泣き崩れて言った「もう野球なんてやりたくない・・・」という言葉。
その時の子どもの目を見た瞬間、私は自分の犯した罪に気づきました。
野球を楽しんでいたあの光が、完全に消えていたのです。
子どもの不調も、やる気のなさも、すべての原因は自分にあった。
そう認める勇気を持った時、初めて親として 本来果たすべき役割 が見えてきました。
同じ後悔を、皆さんには絶対にしてほしくありません。
休ませる勇気と待つ忍耐

では、明日からどう変わればいいのか。具体的に3つのアクションを実行してください。
理由を聞かずに、心のまま休ませる
「行きたくない」と言われたら、まずは「そっか、今日は ゆっくり休もう!」と優しく認めてあげてください。
休む許可は、子どもに「ミスをしても、弱音を吐いても、親はいつも味方でいてくれる」という究極の安心感を与えます。
1日練習を休んだくらいで将来は閉ざされませんが、心が折れたまま無理やり続ければ、野球の神様はお子さんを見捨ててしまいます。
休ませる勇気こそ、親の大切な仕事 です。
『家庭内コーチ』を卒業し、信じて待つ
技術的なアドバイスは一切封印してください。
人に教え込まれた技術はプレッシャーで簡単に崩れますが、自分自身で「あ、こうすればいいんだ!」と気づいた技術は一生の武器になります。
親の役割は教えることではなく、子どもが自ら「どうすればいい?」と聞いてくるまで、静かに観察し、信じて待つこと です。
この忍耐こそが、子どもをプロフェッショナルな自立へと導きます。
実は、私が『エゴ』を捨てるきっかけになった本があります。
私はかつて、息子に『結果』ばかりを求めて失敗しました。その時、私自身の歪んだ思考を正してくれたのが、この一冊です。
野球と関係ない時間を、意図的に作る
「野球を頑張っているから好き」ではなく、「あなたという存在そのものが好きだ」ということを行動で伝えてください。
一緒にゲームをしたり、好きなものを食べに行ったり、野球の話題を排除した『ただの親子』として笑い合える時間を大切にしてください。
その安心感が育てば、子どもは自然と再び自らの足でグラウンドへ立つ勇気を取り戻します。その時を、ただただ 静かに待ってあげてください。
親の忍耐が子どもの野球人生を救う

少年野球において、子どもが「行きたくない」と言うのは、決して珍しいことではありません。
それはむしろ、親子の関係性を見直し、子どもが真に自立するための「成長のチャンス」と捉えてください。
すぐに答えを与えようとする自分のエゴを抑え込み、本人が再びバットを握る日をじっと待つ。
親の保身を捨て、泥まみれになって苦しむ子どもの「最高の味方」であり続けること。
それこそが、親にしかできない究極のサポートです。
どうか、お子さんの可能性を信じてください。
あなたが信じて待ったその時間は、必ず子どもの力となり、いつか想像もしていなかったような素晴らしい景色(結果)を、あなたに見せてくれるはずです。
一球への想い、共に。
私が中学の時、先輩との上下関係で練習に行きたくないなぁと悩んでいました。
そして、ある日、ついに練習をサボってしまったのです。
ただ、昼になって母親の作った弁当を食べたとき、裏切った気持ちで 罪悪感がいっぱいになりました。
当然、母親はユニフォームが汚れていないので、気が付いていたでしょう。
ただ、その時は何も言わず、優しく待ってくれたからこそ、最後まで野球が頑張れたんだと思います。



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