上級生になると、練習試合や公式試合への出場も多くなってきます。
日頃の成果を発揮するチャンスで、子供よりワクワクしてきますよね。
「今日も活躍してもらいたい!」
試合会場の準備にも、自然と力が入ります。
でも、グランドでラインを引くとき、手順や寸法 がわからなくて困ったことはありませんか?
少年野球の一塁までの距離は?
セカンドベースってどう置くの?
ラインは内側?外側?
と思ってる方へ、私が高校時代ライン係だった経験をふまえ、参考にしてほしいポイントを説明していきます。
- 少年野球用のグラウンド規定
- ライン引きの注意点
- ライン引きの手順
この記事を書く私は、息子とともに汗を流し、全国中学野球大会優勝の喜びを得ることができました。
甲子園のグランドキーパーは、まさに匠の技ですよね。
選手を想い、ファンを大切にする。
一流のサポートがあるからこそ、良いプレーも生まれてきます。
子供たちのためにも、最高の舞台をつくっていきましょう!
- 塁間は21m(低学年)か23m(高学年)
投手までは14m(低学年)か16m(高学年) - ラインはすべて区画線の内側
- スリーフットラインは13㎝程空白をとる
グランドの規定とは
グランドの寸法は、各連盟や協会によって異なり、低学年が高学年より小さく、また、ピッチャープレートからホーム、塁間、スリーフットラインの寸法が違ってきます。
グランドの名称
代表的な名称になります。
実際には、ピッチャープレートをプレート、ネクストバッターズサークルをネクスト、コーチャーズボックス(コーチズボックス)をランコボックスなど、略して読んでいます。
グランドの寸法(低学年用)
低学年とは小学1年生から4年生です。
注意すべき寸法は3点。
高学年より一回り小さくなります。
- ピッチャープレートからホームベースまでの距離が 14m
- 塁間が 21m
- 二塁ベースからホームベースまでが 29.69m
グランドの寸法(高学年用)
高学年とは小学5年生と6年生です。
低学年より少しサイズが大きくなります。
- ピッチャープレートからホームベースまでの距離が 16m
- 塁間が 23m
- 二塁ベースからホームベースまでが 32.5m
グランドの寸法は、投手板から本塁までの距離、塁間に加え、外野フェンスまでの距離で決まります。
野球組織によって違いがありますので、下記一覧を参考にしてください。
組 織 | 投手板から本塁までの距離 | 塁 間 | 外野フェンスまでの距離 |
プロ野球 社会人野球 高校野球 一般軟式 リトルシニア | 18.44m | 27.431m | 76.199m以上 |
ボーイズリーグ (中学生) | 18.44m | 27.431m | 規定なし |
少年軟式 (高学年) | 16m | 23m | 両翼 70m センター 85m |
少年軟式 (低学年) | 14m | 21m | 両翼 70m センター 85m |
ボーイズリーグ (小学生) | 15.367m | 22.86m | 規定なし |
リトルリーグ | 14.02m | 18.29m | 60.95m~68.6m |
小学生の一塁到達タイムは?
低学年と高学年で距離が違う塁間。
各年代でタイムの差はどれくらいでるのでしょうか?
自分の子供は足が速い方なのか気になりますよね。
文部科学省のデータから算出しました。
(低学年は21m、高学年は23mで換算)
年齢・学年 | 50mの平均タイム | 塁間の算出タイム |
6歳 (小学1年生) | 11.31秒 | 4.75秒 (21m) |
7歳 (小学2年生) | 10.65秒 | 4.47秒 (21m) |
8歳 (小学3年生) | 9.95秒 | 4.18秒 (21m) |
9歳 (小学4年生) | 9.61秒 | 4.04秒 (21m) |
10歳 (小学5年生) | 9.15秒 | 4.21秒 (23m) |
11歳 (小学6年生) | 8.91秒 | 4.10秒 (23m) |
参照元:文部科学省「令和2年度体力・運動能力調査結果の概要(速報)」
全体を見て分かる通り、4.2秒から4.3秒になります。
グランドのサイズは、塁間が4秒 くらいになるよう設計されているんですね。
かつて5年連続盗塁王に輝いた赤星憲広さん(元阪神)は3.2秒台でした。
盗塁タイムについては 少年野球のキャッチャーに知っててほしい重要なこと で詳しく解説しています。
したがって、4秒という数字を目安に内野ゴロを処理 すれば、アウトに出来る確率が高まります。
バッターボックスの寸法
バッターボックスの寸法は、低学年・高学年ともに同じです。
別組織はサイズが違いますので、下記一覧を参考にしてください。
組 織 | サイズ |
プロ野球 社会人野球 高校野球 一般軟式 リトルシニア | 121.9cm×182.8cm |
ボーイズリーグ (中学生) | 121.9cm×182.8cm |
少年軟式 (高学年) | 90cm×150cm |
少年軟式 (低学年) | 90cm×150cm |
ボーイズリーグ (小学生) | 121.9cm×182.9cm |
リトルリーグ | 91.4cm×182.8cm |
バッティングやスライディングを安全に行うため、土にする範囲を示しています。
また、振り逃げの意志を確認するための範囲にもなっています。
バッターボックスの線を出るとアウト?
基本的にバッターボックスから足が出てはいけないのですが、構えの段階と打つ時でルールが違ってきます。
✔ 構えの段階では 少しでもはみ出したらアウト。
✔ 打つ時は完全に はみ出すとアウト。
構えの段階
ライン上までなら大丈夫ですが、少しでも足が出てはいけません。
打つ時
ラインに少しでも足がかかっていれば、はみ出しても構いません。
ただ、完全に足が出た状態で打ってはいけません。
ライン引きの注意点
ライン引きは 全て区画線の内側に引く ようにしてください。
またラインの幅は 7.6cm(3インチ)になります。
二塁ベースの位置
二塁ベースは 一塁と三塁を結ぶ交差点 がベースのちょうど真ん中になるように配置します。
一塁から三塁ベースだけでなく、ホームベースも各組織でサイズが違いますので、下記一覧を参考にしてください。
組 織 | ホームベース | 一塁から三塁ベース |
プロ野球 社会人野球 高校野球 一般軟式 リトルシニア | 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 38.1cmの正方形 |
ボーイズリーグ (中学生) | 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 38.1cmの正方形 |
少年軟式 (高学年) | 38.1cm×19.0cm×26.92cm 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 35.56cmの正方形 |
少年軟式 (低学年) | 38.1cm×19.0cm×26.92cm 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 35.56cmの正方形 |
ボーイズリーグ (小学生) | 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 38.1cmの正方形 |
リトルリーグ | 43.2cm×21.6cm×30.5cm | 38.1cmの正方形 |
スリーフットライン
ファールラインの一塁付近に平行して引かれている線をスリーフットラインといいます。
一塁線との交差する部分は 13cm程の空白 をとる必要があります。
なぜならば、フェアとファールの判定がしにくくなるからです。
ダートサークルも同様 で、接地点に空白をあけてくださいね。
ライン引きの手順
本塁を基点とし、メジャーで測りながらラインを引いていきます。
手順① 一塁線を引く
本塁の基点にメジャーの目盛り「0」を合わせ、一塁方向に延ばしてください。
次に 区画線の内側 にラインを引いていきます。
バッターボックスの中にはラインを引かない ように注意してください。
途中のポイント、4か所にマークを付けておきます。
11.5m:スリーフットライン始まり
18.0m:一塁コーチズボックスの始まり
23.0m:一塁の基点
23.9m:スリーフットラインの終わり
私は前向きに引いてましたが、後ろ向きが引きやすい方もいます。
手順② スリーフットラインを引く
2か所マークをした位置にメジャーを合わせラインを引いていきます。
スリーフットラインと一塁線は交差させないように、13cm程の空白 をとってください。
手順③ 一塁コーチャーズボックスを引く
2か所マークした位置を基準にラインを引いていきます。
手順④ 本塁を基点に二、三塁の位置を出す
次に本塁を基点として、二塁方向に半径32.5mの弧を描きます。
同じく本塁を基点として、三塁方向に23mの弧を描きます。
手順⑤ 一塁を基点に二、三塁の位置を出す
次に一塁を基点として、二塁方向に半径23mの弧を描きます。
同じく一塁を基点として、三塁方向に32.5mの弧を描きます。
二塁、三塁ともに交わった点が基点となります。
手順⑥ 三塁線及びその他を引く
最後に三塁線やバッターボックス、三塁コーチャーズボックス、ネクストバッターズサークル、キャチャーボックス、ダートサークルのラインを引いていきます。
最初は線が曲がりますが、すぐに慣れて真っすぐ引けるようになりますよ。
グランドの大きさを知る
キャッチボールで大切な距離は塁間。
日頃の練習からグランドの大きさを意識することが上手くなる一歩です。
また、試合でも同じことが言えます。
球場でプレーすることもあれば、補助球場や学校で行うこともあり、ファールグランドの広さ、バックネットまでの距離など、事前に確認ことが次への一歩となります。
普段から状況を把握することが大切です。
最高のヒノキ舞台にしましょう!
一球への想い、共に
高校1年生のときに、ライン係を担当しました。
日々の練習はもちろんのことですが、練習試合のラインは特に緊張感をもって引きます。
この線でフェアかファールが決まる。
レフトポールまで到達してからホームを振り返り、真っすぐ引けているラインに、ホッとしたことを覚えています。
コメント
質問です。
バッターボックスのサイズについて伺います。
バッターボックスのラインは、90cm x 150cmの外側にラインを引くように説明されてますが、内側ではないでしょうか?
バッターボックス1m50cm キャッチャーズボックス1m47cmではないでしょうか?
ここでの説明ですと、バッターボックスが1m05cm x 1m65cmになってしまいます。
お世話になっております。
大変失礼いたしました。ご指摘通り、内側です。
修正いたしましたので、ご報告申し上げます。